• Satoko Asano

私たちの"相場感"は果たして正しいか?

みなさんこんばんは!

早くも梅雨入りしようとしている四国・高知です。

例年よりもさらに、今年は気候変動が激しいですね。。九州からは早くも豪雨の警戒ニュースが聞こえてきます。


早くもそんな季節ではありますが、今回はとびきりの体験をしてきましたのでレポートさせていただきたいと思います!

こちら、何の作業中かお分かりになりますか?

分かる方はかなりの柑橘マニアです。

先日、高知市春野町にある【みかん家にしごみ】さんの柑橘畑で土佐文旦の人口受粉・交配作業のお手伝いをさせていただきました!


こちらの写真はお手本を見せてくださる園主・西込浩一社長。

この作業未経験者にも丁寧にやり方を教えてくださいます。


この作業は美味しい土佐文旦の実を確実に実らせるため、人の手によって雌しべに花粉をつけて受粉させる作業のことです。

↑こちらが土佐文旦のお花。青い空と緑の葉っぱによく映える、とっても綺麗な白いお花です。この花の中央部に雌しべがあります。雌しべの頂部を柱頭(ちゅうとう)といい、そこに一つ一つ花粉をつけていく作業が、今回お手伝いさせていただいた交配作業です。


まず作業の前に、花粉を準備。

えっ!?すごいピンク色!


こちらは赤松子(せきしょうし)という赤い粉と花粉を混ぜたもの。

赤松子が混ざっていると受粉させた雌しべが鮮やかなピンク色になるため、受粉させたものと未だのものの区別が一目瞭然になるそう。赤松子がない昔は、作業の手間や時間もかなりかかっていたのだとか。


ピンクの可愛い花粉を竹筒に入れます。みかん家にしごみさんでは、花粉の湿度を一定に保ってくれる竹の筒を代々使用されているそうです。(農家さんによっては、瓶などの入れ物を使う方も)



花粉の入った竹筒に、耳掻きの先のふわふわのような物を入れて花粉を取り出します。

(写真は「見てみて!耳掻き〜!」と言ってはしゃいでしまった図です。すみません。笑)

高い位置に咲く花にも届くように、持ち手の棒がとても長くなっています。


柱頭は少しベトベトしていて、花粉がつきやすい状態になっています。(これも受粉しやすいための植物の知恵だと思うと尊いです...)

そこにピンクの花粉がついたポンポンをポンポンします。そうすると、花粉が付着したのが分かります。

こんな高いところにもポンポン。

樹の下の方や葉っぱの影にも花があるので、あらゆる角度から樹を見て、花を見つけてポンポンする。なかなかの肉体労働です。


柑橘の樹は日当たりの良い山の斜面にあるため、常に足場を気にしながらこの作業をする必要があります。みかん家にしごみさんの柑橘畑にある土佐文旦の木はおよそ700本。

木の大きさによって違うものの、大きなきには1万個以上(!)の花が咲きます。


それを受粉させる斜面での作業。

頭が下がります。

受粉させられているお花と、そうでないお花の違いは一目瞭然ですよね。(赤松子がない頃は本当に大変だったでしょうね...)

柱頭の周りが黄色いお花は、受粉させどきのお花だそう。すでにミツバチが受粉させてくれている雌しべもありますが、美味しい果実を確実に実らせるため、西込さんのご家族と従業員の方の総勢約10名で一気に交配作業を行います。

お花の咲き加減には個体差があるため、同じ木を毎日確認して受粉させどきの花を見逃さないようにするそうです。700本を毎日です。


そうして受粉した柱頭の元に、小さな小さな土佐文旦の赤ちゃんが実ります。

ご確認いただけますか?白い柱頭の根元に小さな黄緑色の土佐文旦の赤ちゃんが。かわいい♡


今回は、交配作業を丸1日お手伝いさせていただきました。終わった頃には汗だくで、斜面を移動しているのでふくらはぎがパンパンでした。物凄い肉体労働。

しかし、この作業は出荷までのほんの一工程。美味しい土佐文旦が私たちの手元に届くまでには、1年をかけて、大切な作業がたくさんあるのです。


土佐文旦を育てる1年間の作業@みかん家にしごみ

3月:肥料①を畑に撒きます(木を元気にするためにとても大切な仕事。手作業です)

4月:草刈りをします(斜面での作業です)

5月:人工授粉・交配作業(今回体験した作業)

6-7月:肥料②を畑に撒きます(炎天下の中、バケツを持って手作業します)

8-10月:摘果(てきか)をします(実がなりすぎると木に負担がかかるので、美味しくする実を選びその他を切り落とします)

12-1月:収穫をします(一気に作業する必要があり、さらに多忙になります)

1-2月:文旦を野囲い(のがこい)をして熟成させます(20トン以上の果実を藁やビニールで囲い、1ヶ月ほど追熟すると味に深みとコクが出ます)

・2月〜:お客様のお手元へお届け


暑い夏の日も、風の強い日も、斜面での作業。収穫作業ばかりがフューチャーされがちですが、そこに至るまでの作業の多さと過酷さに驚きます。

土づくり、草刈り、受粉作業。大きな木には10000万個咲いている花の中から摘果をし、最終的には1つの木から平均120~130個の実を収穫するそうです。

私たちの手に届く土佐文旦って、農家さんの1年間のお仕事の中で大切に育てられて選抜された逸品なんですね。


どの生産物もそうだと思うのですが、それを食べる私たち消費者が知っているのは、目の前にある商品だけ。知っていたとしても、収穫作業などの絵になる作業ばかりだと思います。


今回、手に届くまでのプロセスを体験させていただき、感じたこと。


それは、「物の値段が安すぎやしないか?」ということです。


年中お世話をして、熟練の技術と目利きで選び抜かれた商品。台風や冷害があれば、全てが台無しになるリスクもある。そんな生産者さんの仕事を、表面的ではなく、もっと深く広く伝えていくことが大切だと改めて感じました。


今回私がお手伝いさせていただいたのは1日だけでしたが、それでも炎天下の中での斜面での作業はとても大変でした。生産者さんの仕事の尊さと、大自然の中で汗をかく気持ち良さ。それらを体で感じ、伝えること。私なりの役割を担っていきたいと感じます。


このレポートを読んでくださった皆さまの、何かを感じていただくきっかけとなれたら幸いです。

◆土佐文旦

出荷時期:2月中旬~4月下旬

◆株式会社にしごみ(旧:西込柑橘園)

昭和37年創業。高知市春野町にて温州みかん、土佐文旦、不知火(しらぬい)、小夏、ポンカン、ベルガモットなど様々な柑橘を栽培。

https://www.nishigomi.com/?mode=f1

by Green Citrus Project

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