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執筆者の写真Satoko Asano

"酢みかん"フルコースを堪能。その全貌を大公開!

こんばんは!

いよいよ今年も残り1ヶ月を切りました。街ではジングルベルが鳴り響き、どことなくソワソワ、ワクワクするこのシーズンが大好きです。


今回は、あまりにも感動的なグリーンシトラスのフルコースを堪能したので、その詳細と感動を大公開したいと思っています。

10/17に開催された「土佐の酢みかんを語り味わう会」の企画メンバーの打ち上げとして、高知市にあるBrasserie 一柳さんに"酢みかん"(香酸柑橘の高知県での総称)を持ち込んでいただき実現した、一夜限りのスペシャルコースディナーでした!


Brasserie 一柳さん外観(Instagramより)

「ここ、本当に日本かな?」と思うくらい、おしゃれで居心地の良い空間。昨年も黒潮グリーンレモンを堪能するコースで大変お世話になった、大好きなお店の一つです。


ファームベジコの長崎さんにご協力いただき、ファームベジコさんの香酸柑橘に加えて、私も白木果樹園さんの柑橘を持ち込ませていただきました!

当日の主役たちはこちら↓

左から

・カボス(白木果樹園さん)

・柚子(ファームベジコさんより)

・直七(ファームベジコさん)

・スダチ(白木果樹園さん)

・シークワーサー(白木果樹園さん)

緑色の時期を超えて、黄色に変化しているのが感じられるシーズンのグリーンシトラス(もはやイエローシトラス)。この経過をとともに、果汁の酸味や皮の香りが変化していくのが愛おしくて楽しいのです。


今回は企画メンバー5名でこじんまりと。しかしこの5名。酢みかん大好きマニアの集まりですので、こうして柑橘を並べるやいなや写真を撮りまくり、歓声をあげ、何なら眺めながらお酒を飲み始める感じ(笑)この感じも大好きなんですよね。テンション上がって盛り上がっちゃう感じ。まさに高知の飲み会という感じです(笑)


酔っ払う前に!とイベントの反省会を先に済ませ、そこから先はメインの打ち上げ!いよいよ酢みかんコースの始まり始まり〜〜〜〜!


●一品目

秋刀魚とジャガイモのテリーヌ・根セロリのサラダ 〜スダチと〜

一品目の料理から、テーブルに運ばれてきた瞬間、メンバーのテンションは最高潮に!

だって、このビジュアルなんですもん...!アートです。


フランスやベルギー、オランダなどのヨーロッパを中心にポピュラーな根セロリ。そのサラダの上に、なんとも美しい秋刀魚とジャガイモのテリーヌ。この秋刀魚の断面の美しいことったら...!今流行りのフルーツサンドに全く劣りません。

テリーヌの上にはファームベジコさんのカラフル大根が。テリーヌの薄ピンクとフレッシュな大根のパッションピンクに、一瞬で心奪われてしまいました。


そして、とても衝撃だったのがソース×香酸柑橘との相性。

チョコレート色の秋刀魚の肝のソースがまろやかでビターなアクセントを加えてくれ、そこに添えられたスダチをジャッと絞って酸味とフレッシュさをプラス。


ご一緒した土佐の銘酒蔵「司牡丹」の竹村社長のfacebookレポートが素晴らしい表現をされていたので、ここに引用させていただきます( in 土佐弁です)


「スダチをかけて肝ソースをつけて一口いただきゃあ、脂の乗った秋刀魚の旨味、ジャガイモの甘味、根セロリの繊細な風味、肝ソースのホロ苦い旨味、スダチの爽やかな酸味らあが、見事に口中で融合しもって膨らみまくり、一気に味覚を全開に目覚めさいてくれるかのような美味しさやったがやき!」


本当に、一気に味覚を全開に目覚めさせてくださいました。

私はお酒を飲めなかったのですが(残念すぎる!)、竹村社長がお料理に日本酒のペアリングをしてくださいました。

この一品目には、「司牡丹・蒼々」(純米吟醸酒)を合わせて乾杯。

「そのバナナやメロンのようなフルーティな香りと、なめらかに口中に膨らむ旨味がまっこと絶妙で、皆さん『こりゃ美味しい!』っちゅうて感激やったがやき。」by竹村社長



●二品目

秋刀魚のベニエ 〜スダチと〜

一品目の余韻を感じるか感じないかのテンションのまま、二品目がテーブルへ。

今シーズンはなかなかお高くて手が出せなかった旬の秋刀魚が再び!嬉しい!


(余談ですが私は北海道の釧路市の出身で、秋刀魚の産地なんですね。幼い頃は秋刀魚の魅力を分かりきっていなくて、「魚よりお肉がいい」なんて言ってました。大人になって、故郷を離れて、秋刀魚がこんなにも美味しくて最高のお魚だったことを実感します。秋刀魚、漁師さん、ありがとう!)


ベニエとは衣にメレンゲを加えて揚げたもののこと。フランスでの呼び名です。イタリア語ではフリット、英語ではフリッター、日本言うとほぼ天ぷらですかね。


この秋刀魚がまた燻製されていて、口に入れた瞬間鼻から抜ける香ばしさ。最高でした。鼻の穴を開いてみんな黙っちゃいました(笑)家庭用の燻製器、絶対買おう。


その濃厚で香ばしいお料理に、白木果樹園さんのスダチを。カボスや直七に加えてワイルドなスダチの酸味とキリッとしたフレッシュさが堪らなく合いました。

あーもう、これは毎日食べたいやつです。忘れません。



●三品目

地鶏モモ肉のガランティーヌ 〜シークワーサーと〜

ここまでの二品で完全に心を奪われまして、一体これからどうなっちゃうんだろう?状態。そんな中で運ばれてきた三品目がこちら。

地鶏をぎゅっとして低温で柔らかく調理されたガランティーヌ。


冷たいお料理です。地鶏の下には何層にもお野菜が重ねられていて、一番下にはお豆の土台が。見た目以上にさっぱりとしていて、コラーゲンもたっぷりで、優しいお味の上にピシャッとアクセントとなるシークワーサー!

こりゃもう一気に別世界へ飛んだような気持ちになります。

沖縄の柑橘は高知のそれらとはやっぱり違う、一層際立った個性。香りも果汁の色も一段強く、こうした柔らかい雰囲気のお料理にはぴったりだなーと思いました。直七やカボスのようなまろやか系の酢みかんよりは、琉球魂感じるシークワーサーの良さが大変生きる一皿でした。


●四品目

モンサンミッシェル産ムール貝のクリームパスタ 〜柚子と〜

続いて運んできていただいたのは、パスタ!わーい!

モンサンミッシェルというワードを聞くだけでさらにテンションは上がり(笑)、「上から柚子を搾ってください」のご案内にまたまた歓声。


モンサンミッシェルから来たムール貝に、

ちょっと太めの生パスタ、

クリームソースの乳脂肪分に、

柚子とな!

口に入れる前から「美味しいの確定!」というお料理です。


とても不思議だったのが、この組み合わせに柚子が加わると、まるでチーズになること!チーズは一切入っていないのですが、完全にチーズクリームパスタでした。

柚子の酸味、油分、貝との相性、それがクリームとなってパスタに絡む...。これなら大食い選手権に出られそう。そんな一皿でした。

やっぱり柚子の存在感は凄し。



●五品目

直七でマリネした四万十ポークのロティ 〜直七と〜

四品をいただき終えて、「もう1ルーティーンいけます!」という状態。物理的にお腹にお料理は入っているはずなのに、そんな感覚が全くない。

これも、季節の香酸柑橘でさっぱりとお料理をいただいているからでしょうか。テンションが上がりすぎて満腹中枢がイカれてしまったのでしょうか。

酢みかんがあると、お酒が進みすぎるだけでなく、お料理も普段よりも増して美味しいと感じます。さっぱりサクサク、軽快に時間が進みます。この感覚なんですよね、仲間と柑橘で食卓を囲む楽しさって。


さて、まだメインじゃなかったのか...!と思わせていただくコースのメインディッシュは、ファームベジコさんの直七であらかじめマリネされた四万十ポークのロティ。


ロティは鉄板にお肉やお魚を入れて蓋をしないままオーブンで焼き上げたフランス料理のこと。表面をこんがりと焼き上げ、中はややレアぎみで旨味をジューシーに味わえます。


高知には四万十ポークがある!あまーい脂としつこくない肉質。ナイフがとても気持ちよくお肉に入ります。その旨味を絶対に邪魔せずとも引き立てるのが最高の脇役、直七でした!

決して主張しすぎず、それでもまろやかに酸味でお肉を包んでくれます。

四万十ポークに添えられたお野菜の甘味も完全に主役級。その主役の持ち味を上手に引き立てる直七は、今回の「土佐の酢みかんを味わい語る会」でも人気ナンバーワンでした!


誰にでも好かれて、謙虚で、個性もあって、、そんな友人がいたら絶対に仲良くなりたいですよね(笑)

高知に直七があって良かった!!



●六品目

カボスのカトルカールとパルフェ 〜カボスと〜

いよいよ幸せなフルコースのグランドフィナーレ。

めちゃくちゃ惜しい気持ちもありましたが、ここまで感動の連続をありがとう!の気持ちに溢れていました。


コースを締め括るデザートは、カボスのカトルカールとカボスのパルフェ。

つまり、パウンドケーキとアイスクリームです。カボスフィナーレ!


カボスもどちらかというとパンチよりはまろやかで上品な香りと果汁。それが、コースの余韻をしっかりと引き伸ばしてくれるようで、いつまでもこの楽しい時間が続きますようにとメッセージしてくれているようでした。

カボス果汁でよりしっとりと仕上げられたカトルカールに、コクがありながらもさっぱりとしたアイスクリーム。

最後のひとかけら、最後の一滴まで、フォークですくえるだけすくって頂きました。


竹村さんには、ここで「司牡丹・山柚子搾り・ゆずの酒」(リキュール)をペアリングいただきました。

「柚子の高貴な風味とスダチの爽やかな風味が、デザートの甘味の上での酸味として絶妙に融合し、女性陣は目を細めてウットリしちょったがよ。」by竹村社長


最高の酢みかんフルコースのエピローグとなりました。

 

こうしてフルコースを振り返っていると、もう一度食べたような気分になりとても幸せです。お料理に多様な香酸柑橘を合わせることで、

「なぜこの料理にこの香酸柑橘なのか?」

「あー、この食材だから、この調理方法だからこの香酸柑橘なんだ!」

そんな解釈がプラスされ、味覚への刺激はもちろん、会話の濃度もギュッと上がる感じがします。


目で見てよし、味よし、香りよし、知的好奇心も満たされる、香酸柑橘のフルコース。いつもこんなにも考え抜かれたコースを振る舞ってくださる一柳シェフには、かなりプレッシャーをおかけしていることと思います(汗)

でも、この一期一会のお料理と香酸柑橘の出会い、そしてそれをいただく至福の時間はまさにプライスレス!一生の思い出!

一柳さん、本当にありがとうございました。


そして、そんな一生の思い出を叶えてくださった生産者の白木さん、ファームベジコさん、ありがとうございました。生産者さんって本当に素敵なお仕事です。


ということで、今回は酢みかんフルコースの全貌をお届けしました!

お腹いっぱい、胸いっぱい!


 

◆Brasserie 一柳

土佐の食材も楽しめる、カジュアルフレンチレストラン。


場所:高知市はりまや町3丁目5-16 ROCOビル

▪︎Lunch 土日のみのコースランチ12:00-13:30(LO)

▪︎Dinner 火定休日18:00-22:00(LO)

※2021年12月6日現在の情報です

詳細はInstagramアカウントでご確認ください。

アカウント名:@ichiryu_n

 

by Green Citrus Project

●隔週 月曜日 更新!

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