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  • 執筆者の写真Satoko Asano

人の手から手へと渡る尊さったら。

こんばんは。2月になりましたが、お変わりありませんか?

暖かい週があったり、寒い週があったり、忙しいですねー。体調崩さず乗り切りましょうね。


2月の始まり。この1週間、ちょっと嬉しいことがあったので、今日はそのことを書きたいと思います。

 

年明けすぐの話。

記録的な寒波があり、多くの柑橘が一夜にしてダメージを受けてしまいました。何ヶ月もかけて丁寧に育てられ、あとは美味しく食べてもらえる日が来るのを待つだけ...という状況の中の寒波。

その寒さは、一夜にして柑橘の果実を凍らせ、二度と誰の口にも入らなくなるものも。

それも、畑一面。全てです。


本当に自然って怖いなと思います。

そんな予測のつかない自然を相手にして、作物を作られる方々への尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになります。


今回打撃を受けた柑橘の一つに、レモンがありました。


そのレモンは、無農薬の価値の高い国産レモン。

寒波がきて、コロナの影響もあって、ダメージを少し受けてしまった。

絞ったり皮をすったりすれば、何の問題もないレモンです。


ご縁あって、そのレモンを、少し分けていただくことになりました。

知り合いの料理人の方やパティシエの方にもお声をかけて、何人かで分けっこしました。


とにかく、使っていただけるだけでありがたい。

畑の肥やしになる前に、誰かの手に渡せるだけでも充分でした。


 

数日後。

分けっこしたパティシエの方から「できました!」の連絡が。

Instagramを見ると、それはもう...まるで花嫁のよう!


すぐに予約をして、お店に伺ったところ、レモンが素晴らしい姿になっていました。

高知県香南市野市町にあるケーキ屋さん「コンセルト」さん。

オーナーシェフの和田さんが、無農薬レモンのフレッシュチーズタルトを作ってくださいました!

(しかもバレンタイン前の忙しい時期に...涙)


見た目も最高に可愛くって。

純白のフレッシュチーズクリーム。

このクリームの中に、あのレモンちゃんたちの果汁が100%純度で使用されているそうです。中にはホワイトショコラムースとラズベリージャム。


プロのお仕事ってすごいですね。

純白って素敵ですね。本当に、我が子がウェディングドレスを纏ってそこに立っているようでした。


私はそれを、レモンを分けてくださった方と一緒にいただこうと思いました。

この純白な花嫁を見せたい...!その一心で。

大変だった寒波。

何とかしたいという人々の思い。

それが繋がって、私の手にやってきた。

そこからまた、「よっしゃ任せて!」という方々の手に渡り、

人の気持ちのバトンが繋がり純白ドレス姿に。


ここまでの経緯があるので、それはもう感動的なティータイムになりました。

甘さ控えめで、チーズクリームはほわほわで。ラズベリージャムのアクセントが効いていて、口いっぱいに優しさが広がりました。


 

レモンが人の手から手へと渡る。

思いがどんどん重なる。

そしてみんなでそれを味わう。


シンプルなことなのに、こんなにも尊い思いをするなんて、食べ物って本当に素敵だなと思います。


昨年からの世の中は、大変なことばかりで、誰かが誰かを批判したり、辛い人の声を聞くことが多くなりました。

それでも私たちは食べることは続けている。

こうして思いをつないで、手から手へ。

こんな食の体験が、もっともっと拡がればいいなと思います。


大変だったけど、心がほっこりする話。

またどこかでつながれることを楽しみにしています。

 

by Green Citrus Project

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