みなさんこんばんは!
もう、柑橘が美味しい季節が止まりません...!
今の時期はグリーンシトラスプロジェクトがテーマとしている「香酸柑橘(柚子やレモンなど、主に果汁の酸味や香りを楽しむ柑橘)」はあまりなく、果実を食べて楽しむ柑橘のシーズン真っ只中です。
高知は本当に柑橘の種類が豊富で、1年中何かしらの美味しい柑橘がある場所なのですが、今回ご紹介したいのは【土佐文旦(とさぶんたん)】です!
初めて聞くという方のために、土佐文旦についてご紹介します。
↑大きさはグレープフルーツと同じくらい。外側の皮と果実を覆う皮を剥くと、宝石のようです!
文旦とは東南アジア原産の柑橘で、北米に渡ったものはグレープフルーツになり、アジアでは文旦や晩白柚(最大の柑橘と呼ばれている)、獅柚子(実は柚子ではなく文旦の仲間)などに枝分かれしていったと言われています。日本国内での歴史は鹿児島に入ってきたことから始まったそうです。昭和の初めに高知県で植えられて育てられ始め、以降「土佐文旦」として高知県土佐市を中心に栽培が普及しました。
ちなみに、現在国内で生産される文旦のうち9割以上が高知県で栽培されています。
そして、毎年2月13日は土佐文旦の日!2月に土佐文旦が旬の時期を迎え出荷量が増えることと、2月13日を「ぶんたん(2)、とさ(13)」と読む語呂合わせから、2015年に土佐文旦振興対策協議会が一般社団法人日本記念日協会へ申請し、登録されました。
ということで先週、2021年の文旦の日に、大北果樹園さん主催の文旦イベント「PERIOD TO ENJOY BUNTAN!」に参加してきました!
当日の天気はあいにくの曇り空。雨予報も出ている中、「降らないでくれ...!」と祈りながら安芸市へ。安芸市は柚子の出荷量が日本一の柚子の産地ですが、文旦も美味しく育つ山々があります。(結局雨は降りませんでした!よかった!)
今回は、
13:30〜15:00 園地視察
15:00〜16:30 文旦スイーツコースを味わう
の2部制で、文旦について学んだ上に美味しさも味わえる、柑橘好きにはたまらないコンパクトローカルツアーです。
【前半】13:30〜大北果樹園 園主による土佐文旦畑散策
園主の大北和(かず)さんは、安芸市生まれの27歳。東京農業大学を卒業後、高知県の名門果樹園にて栽培技術を磨き、2018年に祖父母が経営していた稼業、大北果樹園を継いで園主となりました。
初めてお会いした時に年齢を聞いてとても驚いたのを覚えています。とても落ち着いていて謙虚。ちょっとお茶目な一面もあるとても素敵な青年です。
大北さんについて、柑橘の木が茂る道を農園まで散策。歴史を感じる石垣や、真っ白な梅の花を見たりしながら、大北果樹園の園地へ。
ほんの15分ほど歩いただけなのに、振り返ると安芸市の市街地と太平洋が一望できる小高い場所にいました。
日頃の運動不足を感じつつも、屋外なのでこの時期としては少し安心しながら参加者の皆さんとお話しできて、とても楽しかったです。
園地に入ると、そこにはたくさんの文旦の木が!
よっ!待ってました!土佐文旦!!
・・・あれ?!
あれ、実が1つもなっていない・・・。
文旦畑に来たのに文旦がなってない光景を不思議に思っていると、「こちらへどうぞ!」と大北さん。
実は文旦は、収穫の後に「野囲い(のがこい)」という手法での寝かせ期間を設け、追熟をしてから出荷するのが通例なのです。つまり文旦はすでに収穫済み。大北果樹園では約1ヶ月半前の昨年末に収穫したのだと教えてくれました。
ということで、主役たちは野囲いの真っ最中でした。
大北さんの声に導かれて集まると、何やら地面の上にこんもりとした場所が。藁のような物の上に、ブルーのネットがかかっています。もしやここに?!
大北さんがネットと藁をめくると・・・
出ましたーーーーっ!
たくさんの文旦!!ここで現場のテンションは一気に上がりました!
この「野囲い」という追熟の方法は古くから継承される方法。他にも樹になった状態のまま追熟する方法もあるそうですが、大北さんはおばあさんから受け継いだやり方をとても大切にされているそうです。
約1ヶ月半、寒さに耐えながら追熟した文旦。その美味しさを見極める方法があります。
それは、こちらの【赤い斑点】です。
この斑点が出てきたら、文旦が「もういいよ〜!」と言っているとのこと。
「僕は文旦の声が聞こえるので、声を聞きながら時期を見極めています。」と大北さん。
声が聞こえるとは...さすがです!
和やかな雰囲気の中で園主から直接聞くお話はとても勉強になります。
今回もっとも印象的だったのは、樹の歴史と未来について。
現在、高知県にある土佐文旦の樹で最も古い樹の樹齢は80年ほどだとか。そして驚くのは、80年の樹も現役だということ!むしろ樹齢が長い方が質の高い果実が実るそうです。柚子のように一定の年数が経つと現役引退なんてこともなく、よく見てみると樹にトゲもほどんとない。柑橘って面白いですね。
「80年から先の味はまだ誰も知らない。だから文旦にはロマンがあって面白いんです。」
そう大北さんが言った時、体がゾクゾクっとしました。
誰も感じたことのない未来を味わえる楽しさ。
それは挑戦や未知を楽しむ人生そのものだなと感じました。
この味も。まだ誰も知らない未来の味。
なんて素敵な考え方でしょう。そう思って毎日を送れたら本当に幸せなんだなぁ。
「この木は僕の祖父が植えた樹なので、40年くらいですかね。なのでやっぱり味もプレミアムなんですよ。どうぞ食べてみてください。」
そう言いながら参加者一人ひとりに文旦を配る大北さん。屋外の体験、直接感じる果樹園の歴史。園主の想い。参加者はみんなとっても楽しそうです。
私も3種食べ比べさせてもらいましたが、確かにおじいさんの樹の文旦が一番味が濃くてまろやかで美味しかったです。
80年の樹に実る文旦は一体どんな味がするんだろうか...。興味しかありません。
美味しさだけでなく、時を超えてあらゆる場面や感情を想像できた園地ツアー。
時代を繋いできた家族の物語。
若き園主が感じるロマンと、これから作る未来。
美味しい物を食べられるって、本当に尊いことですね。
なんだか体の内側からじんわりと暖かくなる体験でした。
大北さん、素敵な体験をありがとうございました。
次回はツアー後半の土佐文旦スイーツコース「感動の連続!愛がつまった柑橘コースの全貌」についてお届けします!配信は3/8(月)21:00の予定です、お楽しみに!
◆土佐文旦
出荷時期:2月~3月下旬
◆大北果樹園について(動画)
◆大北果樹園公式ホームページ
Green Citrus Project
Journal(記事)
●隔週 月曜日 更新!
●インスタグラム @green_citrus_project
#香酸柑橘 #柑橘 #citrus #greencitrus #yuzu #lemon #greenlemon #lime #organic #keraji #greenyuzu #bergamot #hanayu #naoshichi #bushukan #sudachi #ゆず #柚子 #レモン #グリーンレモン #ライム #ケラジ #花良治 #だいだい #はなゆ #花柚 #直七 #ブシュカン #ベルガモット #土佐ベルガモット #スダチ #国産 #bistro #tokyobistro #food #kochi #shikokuisland #japan #文旦 #土佐文旦 #buntan
Comments